13階段 高野和明

 最新刊「ジェノサイド」があちらこちらで有名な同作者のデビュー作。なんとなく敬遠していたけど、ここに至って読んでみることに。
 光市母子殺害事件の死刑判決確定により、わりとタイムリーなタイミングで読了となってしまった。思うところは色々あれど、社会派ミステリーとしては本当にお手本のような造りである。謎を所々に散りばめて置いて、物語後半でテーブルを何度もひっくり返して驚かせる。そして、最後にテーマの問いかけを残して幕は閉じるという、非常に完成度の高い作品。人の感情は割り切れないということを痛いほどに感じさせてくれた。

13階段 (講談社文庫)

13階段 (講談社文庫)

 7冊目。