恋都の狐さん 北夏輝

　第46回メフィスト賞受賞作。
　灰汁の非常に強いこの賞で恋愛小説というジャンルが制するとは、いったいどんな珍事が起こったのだろうか。僕が今まで読んだ同賞の受賞作は全て殺人が絡んでおり、人の死なないメフィスト賞というだけでも興味が湧いた。
　というわけで即購入。そして――即後悔した。
　内容は完全に「劣化森見登美彦」だった。あんまり貶したくないけど、この本を買うくらいなら、ま行の作家棚で森見氏の「夜は短し歩けよ乙女」を選んだほうが良い。森見氏と比べて本作は非常にあっさりした文章なので読み易さは抜群だけど、そんなのアドバンテージにもなっていない。ありとあらゆる面で劣っているんじゃないかと、正直思う。ここまで良いところを見つけられない小説も珍しい。

恋都の狐さん

　森博嗣氏、舞城王太郎氏らは流石に別格だった。
　やっぱメフィスト賞は殺人だな（爆）
　8冊目。