この胸に深々と突き刺さる矢を抜け 白石一文
会社の先輩が電車の中で読んでいたのを思い出して、ちょっと手を出してみることに。上下巻の2冊に加え、参考図書の引用に継ぐ引用の構成、啓蒙思想(?)満載の内容であるが、個人的には非常に面白かった。ストーリー自体には何のカタルシスもなく、フラットに物語が紡がれていくのけれど、主人公の延々と繰り返される取りとめも無い思考が良い。脳内で理屈を捏ね回しているタイプの人間は、たぶんこの小説に波長が合うんじゃないかな。
1〜3月の4半期の中では、これが一番面白かったと思う。
- 作者: 白石一文
- 出版社/メーカー: 講談社
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