JORGE JOESTAR 舞城王太郎

 舞城王太郎の新刊は「ジョジョの奇妙な冒険」のノベライズ。
 正直ジョジョは「あ、ありのまま〜」と「そこにしびれる〜」のAAくらいしか知らないので、少し購入をためらったが、舞城をやらかしてくれることを期待して買ってみた。

 ……。

 やっぱり舞城王太郎は大馬鹿野郎だった!(褒め言葉)
 第一章のタイトルが「九十九十九」、第二章のタイトルが「西暁町」。Amazonが荒れるのも納得である。ジョジョファンに真っ向から喧嘩を売ってるもんな。でも、企画の意図は「VS JOJO」なので、あながち舞城のやったことも間違いじゃない。ガチンコでぶつかりあっただけかなり潔い。
 とりあえず読んでみた感想としては、どこが舞城のネタで、どこがジョジョのネタかがわからない。舞城のキャラは探偵連中くらいなのかな? だとすると、荒木も相当頭がぶっとんでいる。究極生命体(笑)と思いながらも、カーズ先輩のキャラは最高だった。あと、平行世界やら宇宙が37巡目やら、きっとこれも原作準拠のネタなんだろうか。いつか漫画も読んでみることにしよう。
 基本的に内容はジョジョ版「ディスコ探偵水曜日」だった。主人公が作者の存在を意識しながら(小説中ではビヨンドやら文脈という言葉に置き換えられている)、作中の事件に立ち向かうというスタイルだ。本作の方がエンタメ性が強いので読みやすさはあるんだけど、それでも最後の超能力合戦は何が何やら分からなかった。とにかく凄いんだろうな、というイメージで終わってしまったのが残念。ここら辺は原作を知らないとかなりきついと思う。ただし基本的に、譲児ジョースター面白ぇ、カーズ先輩かっけぇで良い。

JORGE JOESTAR

JORGE JOESTAR

 31冊目。