ラットマン 道尾秀介

 道尾秀介の文庫最新刊。
 ほとんど文庫しか読まないので、この評価もどうかと思うが、道尾の中では一番面白かった。個人的に気に入っている「シャドウ」や「向日葵の咲かない夏」よりも読後感が段違いに良いので、正直オススメである(というか、この2作を比較対象に挙げるのはどうなんだろうな〜)。
 それにしてもトリックとテーマを同一にする技術が、ホント素晴らしい。序盤がつまんないとか、人物に印象がないとか、不満がないわけじゃないけど、それを差し引いても読む価値はあったと思う。短くてスッキリした作品なので、個人的にはオヌヌメ
 マジで「片眼の猿」や「ソロモンの犬」の酷さはなんだったんだ……。とにかく今後も楽しみな作家ではある。

ラットマン (光文社文庫)

ラットマン (光文社文庫)

 30冊目。