追憶五断章 米澤穂信

 古典部シリーズが絶好調の米澤穂信の新作。
 いわゆる「リドル・ストーリー」というオチを明確に示さないものを扱ったミステリィ小説である。ミステリィに明るくない読者にとって、米澤氏の小説はお手軽に古典的な形式を楽しめるのでありがたかったりする。
 しかし、あいかわらず結末が苦い。主人公が主人公ですらないというのが、もうなんともいえない……。
 物語中に出てくる5つのリドル・ストーリーの出来も良いので、最後まで面白く読めると思う。

追想五断章 (集英社文庫)

追想五断章 (集英社文庫)

 26冊目。