他人事 平山夢明

気分の悪くなる短編集。正直購入したことを後悔したくなった。いくつか面白いストーリーはあれど、基本的に「理不尽」が付き纏うので、どんどん気が滅入ってくる。収録されている全14編が好きな人は少し危ないかもしれない。 僕のオススメは「ダーウィンとベ…

クドリャフカの順番 米澤穂信

古典部シリーズ、第3弾。 待ちに待った文化祭、作りすぎた文集「氷菓」、そして連続盗難事件と、今回の古典部シリーズも絶好調だ。僕はこれを読んで、小市民シリーズより魅力的であると確信に至った。文化祭で主要登場人物がわちゃわちゃしているだけなのに…

ALMA ACIDMAN

ACIDMANのニューシングル。ニューアルバムのタイトルでもあるらしい。 「I stand free」に神秘的な雰囲気を混ぜ込んだ、普遍的な曲だと思う。名作ではないが、佳作ではある。僕らは手を伸ばす、という部分のメロディが個人的にはたまらなく気持ち良い。 CDで…

ANOMALY TOUR 2010 the HIATUS

the HIATUSのライブに初参戦。ただ、ACIDMAN目当てで行ったことは内緒だ。 ACIDMANのセットリストは下記の通り。 A beautiful greed ±0 Carve with the sense 波、白く Free star HUM ALMA Under the rain ある証明 イマイチ客層がハイエイタスのと噛み合わ…

イナイ×イナイ 森博嗣

Xシリーズ第1弾。ノベルスが一向に出版されない代わりに、文庫化は急ピッチで進んでいるような気がする。 さて新シリーズの出来栄えだが、流石にこれは首を傾げざるを得ない。AmazonにおいてGシリーズの評価は不評だが、個人的には講談社シリーズの中で一番…

愚者のエンドロール 米澤穂信

古典部シリーズ第2弾。実は読了したのが一ヶ月前だったりする。 内容をざっくり言えば、未完成なミステリー映画の結末を推理しろ、というもの。何を言ってもネタバレになりそうだが、この作品は作者の地位が確立している今だからこそ出版すべきような気がし…

A Thausand Suns Linkin Park

Linkin Park、3年ぶりの新作。 先行シングル「The Catalyst」の時点で賛否両論が巻き起こったが、アルバム本編もそれに違わず、異色の出来となっている。インタールードだらけだし、加えてミドルテンポの楽曲ばかりである。しかし、やはり一番のポイントは「…

九十九十九 舞城王太郎

最近、舞城しか読んでねぇような……。コイツも8月の終わりに、イキルキスを我慢できずに読んでたモノの1つ。大学1回生のとき以来なので、6年ぶりとなる。 この小説の特徴としては、メタフィクションにメタフィクションをサンドし続けるという悪ふざけを徹底し…

魔界探偵 冥王星O デッドドールのダブルD 舞城王太郎/越前魔太郎

ついに舞城王太郎が降臨。やっぱ、本家は全然違う。お馴染みの【冥王星O】【窓を作る男】【顔のない女】ですら、他の作家の描いたものとは異なっている。【冥王星O】はファンキーかつクレイジーだし、【窓を作る男】は少し軽いし、【顔のない女】にいたって…

魔界探偵 冥王星O トイボックスのT 越前魔太郎

メディアワークス文庫の冥王星Oは「ペインのP」以来。もはや何の期待も無く読んだが、面白くなかったということに関しては期待通りだったかもしれない。……皮肉だ。 しかしペインのPもそうだったんだけど、登場人物に対して無意味なコスプレをさせたがるんだ…

ゾラ・一撃・さようなら 森博嗣

シリーズ外の小説と銘打っているが、実はS&MシリーズやVシリーズの外伝。エンジェル・マヌーヴァにまつわるストーリーである。 これも2週間ほど前に読んだものだが、イキルキスとは違って、大して記憶にも残っていない。ハードボイルドにしてもミステリーに…

イキルキス 舞城王太郎

2週間ほど前に読んだ、舞城王太郎の最新刊。「イキルキス」「鼻クソご飯」「パッキャラ魔道」の3編が収録されている。それぞれの短編は年代に3年ほどのブランクがあるため、作家舞城王太郎のキャリアが詰まっている小説だ、と言っても過言ではない。昔の舞…

Hadou 稲葉浩志

稲葉浩志、6年ぶりのニューアルバム「Hadou」。例によってフラゲしました。 いや〜、6年か。シングル「Okay」の時も思ったんだけど、そんなに久しぶりって気がしないんだよね。たぶんB’zの合間にソロを埋めているせいだろうけど。ホント、このお二人の創作意…

スーパーマリオギャラクシー2 クリア

およそ3ヶ月かかって、ようやくクリア。……といっても、クッパまでしかたどり着いていないので、スターの数は75個である。完全クリアは241個らしいので、そろそろWiiリモコンを置こうかなと思います(^o^;)。 7年ぶりの3Dマリオだったので、結構難しく感じた…

蒼路の旅人 上橋菜穂子

守り人シリーズ第6作目。タイトルに「旅人」とあるので、主人公は弱小国の皇太子チャグムとなっている。バルサは一切登場しないが、誰が主人公であろうと、筆者の腕前にあっては全く関係ない。 本作は次回へと続く最終章の序章となっている。物語としては全…

ηなのに夢のよう 森博嗣

Gシリーズ第6弾。ようやく折り返し地点だが、最近講談社ノベルスで新刊が出ていないので、完結はまだまだ先のようだ。さらに「真賀田四季」を中心とした世界観の全貌が判明するのは、女王シリーズが完結したときだろう。森博嗣の引退はまだまだ先だな。出版…

鋼の錬金術師(26) 荒川弘

2000年代に始まった少年マンガの中では最高峰だろう。もうこれはゆるぎないと思う。無駄がない上に、矛盾もほとんどない。ジャンプで連載している頭に「ブ」のつくマンガもこれの1ミリでもいいから見習って欲しい。 次がラストか……。ガンガン、大丈夫かな。…

魔界探偵 冥王星O ジャンクションのJ 越前魔太郎

冥王星Oシリーズ、……えーと第何弾だろう? もう全然分かんないや。 惰性で買ったが、今回はちょっと当たり。どうせコラボすんならこれくらい無茶苦茶なほうが良い。でも、こういうメタフィクションを用いた展開は、てっきり舞城王太郎がやるものだと思ってい…

ボトルネック 米澤穂信

ちょっとした暇つぶしをするのに、抜群な作家である。ページ数も少ないし、そこそこの読後感を与えてくれるので、僕は結構好きだったりする。 本書も例に漏れず、あいかわらずの米澤節が味わえる。ネタバレ気味な感想になっちゃうけど、僕が主人公だったら死…

B'z LIVE-GYM 2010 “Ain't No Magic”at TOKYO DOME B'z

映像作品としては、人生初のBlue-ray。こりゃもうDVDには戻れんなぁ。過去のライブDVDも、Blue-rayとして再発売して欲しい、と思ったくらいに綺麗だった。 中身に関しては言うことなしの出来。いつも通り素晴らしいB’zのライブだった。ヒット曲である「イチ…

Three Days Grace

B’zのBlue-ray買わなきゃならんなのに、我慢しきれずに購入。しめて7000円ほど。 やっぱ2ndが群を抜いて良い。全米でミリオン売っただけは、本当にある。来日してくれないかな。多分来ないだろうなぁ……。スリー・デイズ・グレイスアーティスト: スリー・デイ…

菜々子さんの戯曲 Nの悲劇と縛られた僕 高木敦史

Yahooのトップニュースにもあった、ネット上で全文無料掲載しているライトノベルを読んでみた。今まで「戯言シリーズ」と「冥王星Oシリーズ」しかラノベを読んだことが無かったことと、電子書籍が初体験だったので、少し新鮮な気持ちで読書に臨めた。 結論を…

臨機応答・変問自在 森博嗣

森博嗣が10年ほど前に発売した新書。 講義中における大学生の質問とそれに対する森の回答を本にしたもの。それなりに面白い。そして、それ以上に耳が痛い内容でもある。 この本を読めば、思考を放棄することがいかに愚かであるということを思い知らされるだ…

DEAR FREEDOM ACIDMAN

フラゲしたので簡単な感想を。 「DEAR FREEDOM」はどっしりとしたロックチューンといえばいいのだろうか。メロディは全然違うんだけど、「CARVE WITH THE SENSE」をミドルテンポにしたようなイメージを感じた。 「彩-SAI-(前編)fragment of terra mix」は…

NECK 舞城王太郎

今月2作目となる舞城王太郎の新作。内容は、新作小説が1つに、絵コンテ付きの脚本が2つ、映画の原案が1つとなっている。 正直な感想なんだけど、映画の原作が一番面白くない。舞台版は結構ホラーな内容だったので、コレを映画化すりゃ良かったのに。もったい…

マジックディスク ASIAN KUNG-FU GENERATION

冷静に書ける日が来るかなと思っていたが、結局やってこなかった。とまあそんな訳で、客観的な視点では全然ないんだけど、個人的に「ファンクラブ」以来の傑作だと感じている。オープニングナンバーである「新世紀のラブソング」で心を躍らされ、表題曲の「…

ラットマン 道尾秀介

道尾秀介の文庫最新刊。 ほとんど文庫しか読まないので、この評価もどうかと思うが、道尾の中では一番面白かった。個人的に気に入っている「シャドウ」や「向日葵の咲かない夏」よりも読後感が段違いに良いので、正直オススメである(というか、この2作を比…

砂漠 伊坂幸太郎

――砂漠に雪を降らせることだって、余裕でできるんですよ。 あいかわらず伊坂幸太郎はオサレだ。意味があるようでほとんどない言葉を書かせたらピカイチかもしれない。 作中にて売れる小説の条件を「ユーモアと軽快さと、知的さだ。洒落ているいるだけで、中…

獣の樹 舞城王太郎

「NEO舞城王太郎BEGINS!」というキャッチフレーズであるが、なんのことはない。いつもの舞城だった。単にリリースラッシュだけだったようだ。 前々作の「ディスコ探偵水曜日」が、舞城にとって1つ壁になっていることは間違いない。どうにもインパクトの面で…

コインロッカー・ベイビーズ 村上龍

初、村上龍。 正直、小説自身の持つパワーに圧倒された。凄く面白かったが、それでも村上龍の別作品を読んでみたいとは思わなかった。ここまで読むことに疲れたのは、ドグラ・マグラ以来かもしれない。 余談だが、僕のフェイバリットは舞城王太郎である。本…